また年が新しくなりました。
昨年の東北での災害は、その影響があまりに深く、広く、そのせいで新年を迎えた清々しさが感じられません。
それでもやはり、表向きはいつも通りに平素とは違った年末年始を過ごしました。
12月初めのお節の献立作りから始まって、実家への帰省が済むまで頭の中はずっとお正月。
今回のお正月は、長かった・・・
行事は三つ。
一つは関西で独居している義母を訪問すること→元旦日帰り
二つ目は長男ファミリーと次男とを向かえて過ごすこと→29日~6日
三つ目は私の老親に会う為信州に行くこと→7日~10日
関西の義母を訪ねるのは元旦。
92歳で半身不随の義母が食べられるように工夫したお節料理(風)を持って新幹線に乗り、年に一度の顔見世です。
お料理は不義理をしている嫁としての精一杯の気持ちです。
創造性に欠けるので、お料理はあまり得意ではない私が、諸条件をクリアしたオリジナルのお節を作るのはとっても手間、暇がかかります。
メニュー作りには半漁クンの頭にも参加してもらいます。
昨年のメニューを基本に、手直しやら変更やらをして1品につき3回、4回と試作して形になったのがこれです。
まだ満足できるものではないのですが、時間切れでここまで。
昨年の結果よりは数段上がったのでは、と自分では思うのですが、食べてくれた義母は何と思ったか?
料理作りにおける条件
1、嚥下が困難なのでスルリと呑み込めること
2、遠路を持ち運べること
3、常温で1~2日の日持ちができること
このたった3つをクリアすることが、私には結構難しかったのです。
どれも美味しいです、と食べてくださったのですが、私への気遣いが半分は入っていたのでは・・
写真の説明をすると
A:巻き寿司
柔らかい酢飯を作り、芯にはマグロのたたき、カニ足の身、イクラしょうゆ漬け。巻くときに海苔は使えないので、おぼろ昆布とすりゴマで。
直径約3cmの細巻きですが、外側を被っているものがものだけにお重に詰めるときには崩れやすく、ヒヤヒヤ。
B:豆腐ハンバーグ
普通のハンバーグを柔らかい口当たりにするため、ひき肉と豆腐を半々に。
ひき肉は豚を使っているが、鶏でもいい。
基本の味は薄めにし、仕上げにしょうゆ味のソースを絡める。
C:卵豆腐・・茶碗蒸しの具がないもの
この器に材料を入れ、直接蒸し器にかける。
D:サケのテリーヌ
生のベニザケを蒸してほぐし、生クリームを加えてゼラチンで固めたもの
これは鮭の切り身2切れに生クリーム90ml。生クリームはこれくらいが限界。
「にぎり寿司の型」を使って成型。
E:鯛のつくね
半漁くんが吊り上げた真鯛をすり身にし、片栗粉でつないでまとめたもの。
鯛のアラのだし汁であんを作り、つくねに絡めました。
400gの鯛1尾でこれが全て。
こう書いてしまうと、どうと言うことも無いのですが、普段はここまでのお料理はしませんからなかなか大変でした。
一番苦労したのは、鯛のつくねです。
1尾しかない本番用の鯛で試作するわけにいきませんから、白身の安い魚(カレイやタラ)を使って3回ほど作ってみたのですが、ばらばらになってしまったり、水が出て小さくなってしまったり・・と悪戦苦闘。
本番のタイを使うと、ちゃんとすわり、水も出ずに1回で決まり!
材料の向き、不向きというのか、良し悪しというのか、適切なものを使わなくては良いものもできないようです。
テリーヌは経験が無かったのでかなり抵抗がありましたが、結果的にはそれほど困らずに見た目がプロっぽくできて、ちょっといい気分。
コック経験のある半漁クンのアドバイスもあり、全体に何とか形になりました。
胃にかすり傷程度の潰瘍ができたかもしれませんが、今回は私にとって良い宝物もできました。
後日訪ねてきた2歳の孫娘にも一部を食べさせたところ、卵豆腐は大ヒットで、「ママコ(タマゴって言えない) おかわり!」でしたが、豆腐ハンバーグはベーッと出してしまいました。
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