畑での栽培を始めてから消費する人の口に入るまでの間に農薬を使わなかったことを「無農薬栽培」だと、今まで思っていました。
消費する立場の人は大方がそう思うのではないでしょうか。
先日、タマネギの苗を通販で購入しました。
いつもなら最寄のホームセンターで調達するので、苗に関する情報は何もありません。
大変な温度管理をして、販売店が要求する日程にあわせて育てるのだろう、くらいに思っていました。
購入時に問えば産地くらいは教えてくれるかもしれないですが、栽培履歴にまでは思いが至りませんでした。
購入した通販の苗に添えられた説明書を見て、苗として出荷するまでに幾種類もの農薬が使用されていることを知りました。
ちょっと考えれば当たり前のことでしたが、今まで気が付きませんでした。
趣味の家庭菜園なら知らずとも、商品として育てるのですから外見の立派なものを作らねばならないので当然の処置でしょう。
無農薬栽培と謳われて販売されている野菜は、苗作りから無農薬で育てるのでしょうが
更に遡って、タネはどうなのでしょう?
小袋に入って売られているタネは、ほとんどが外国からの輸入品です。
栽培履歴までは書かれていないのでそれに薬を使っているとも、いないとも書かれていませんが、採取後の保存の為などで薬を使っている可能性もある訳です。
よく見るものでトウモロコシやエンドウ豆の種は赤、緑、青などの色がついています。
目的は色々でも、薬です。わかりやすい例だと思います。
そうなると、無農薬栽培だと言えるためには種から自家採取しなければならないということになります。
家庭菜園規模なら、凝る人は種の採取から自分でやり完全無農薬も可能です。
けれど販売目的の大量生産の種はどうでしょう。
品質の安定した種を大量に国内で採取するのは困難なので、条件のいい外国で生産、採取されたものを輸入しているということです。
そう考えてくると、自家栽培の野菜でも「完全無農薬」と呼べるものはそうは無いのでは。
苗や種を一般の販売店で購入して栽培するなら、既にそれは農薬使用されているのです。
薬というのは使わない方がいいのですが、収穫が目的であるなら、ある程度の農薬も許容しなくてはならないと思えます。
消費者としては、家庭の台所に届いたときにそれが残留していなければ、あまり神経質にならなくてのいいのでは、と思い始めています。
そうでないと現実社会との矛盾が大きく、暮らしが成り立ちませんから。
理想は持ち続け、より近づくよう努力は惜しまずに。
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今年、抵抗感を持ちながら少し農薬を使ってみて感じたことです。
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